プランニング集

施工上のポイント


設計を生かすための施工テクニカルを開示、共有します

Technical Rule-1

配管、配線の工夫

基本的に一階の天井は張らないため、その部分に必要な配線は、二階の床に根太を転がし、そこを配線スペースとします。それでも電話の配線など、管が太いものは、効率を良くするため、できるだけ床を這わずに壁を利用します。出来上がってからの変更は仕上げを悪くします。配線位置は計画段階から検討しておき、工事が始まる前には最終決定しておくことが肝心です。
一階と二階をつなぐ水回りの配管には、パイプスペースを設けます。壁の中に配管するのは避けましょう。ユニットバスまわりの200mmの余剰スペースを利用すると都合よく仕上がります。無理な配管計画は、後々トラブルを引き起こす元になりますので、うまく取れない場合でも、部屋のコーナーを使って、パイプスペースはしっかり取るようにします。その方が、結局は賢明といえます。

Technical Rule-2

24時間換気ダクトの工夫

シックハウス法に伴い、24時間換気がこれまで以上に必要になってきました。天井裏のない「テラ工法」では、いかにダクトを目立たないように配管するかがポイントになります。これも、計画段階からしっかり検討しておくことが肝心です。また、部分的に、デザインとして外に出して見せてしまうのも方法です。あるいは、ノンダクトでクリアできるよう、梁の上の壁をつくらないで開放しておくという考え方もあります。発想の転換から生まれてきたものが予想していた以上に素晴らしいというのは、よくあることです。

Technical Rule-3

内壁の工夫

さくりはめ壁の「テラ工法」は、その剛性のために、外壁だけで、必要な耐力のほとんどが取れてしまいます。内部の間仕切り壁=内壁(特に2階部分)まで、必ずしも耐力壁である必要はありません。取り外しが簡単な壁にしておくと、将来、家族構成やライフスタイルに変化が起きた時に、リフォームがカンタンにできることになります。
この内壁は、漆喰などの塗り壁にすることで、木のボリューム感を調整し、デザイン的にもバリエーションを楽しむことができます。

Technical Rule-4

下屋間仕切り壁の工夫

物入れや水回り設備を「つくり加える」ことが多い下屋ですから、耐力壁に縛られず、またメーターグリッドからも開放されて、都合の良いところに間仕切ると、収納スペースやパイプスペース、配線配管が、自由に取れるようになります

Technical Rule-5

下屋屋根勾配の工夫

切妻屋根の美しさを引き出すために、大屋根勾配は4寸にしています。軒の出は、深くしてバランスをよくするために、800mm長さに出しています。
下屋の屋根は、大屋根勾配と同じ4寸と決めつけないで、変化させる方がむしろ自然な感じになります。また、勾配を緩くすることで、2階部分に取付けられない窓が付けられるといったメリットも出てきます。